神楽坂コンサルティング 竹内一郎のブログ https://www.kagurazaka-consulting.co.jp 社長の相談役 Fri, 08 Sep 2023 05:16:06 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.4.3 即実践できる市場開拓のコツ! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/marketing/post-607.html Fri, 08 Sep 2023 05:11:49 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=607 こんにちは、たけうちです。

自社の製品/技術/サービスを「どのような顧客(市場)にアプローチをすれば売れるのだろうか」とよく社長から相談を受けます。これは誰もが悩んでいることです。

今日は誰でも直ぐにできる売れる顧客層の見つけ方(簡単な顧客ターゲッティング)をご紹介したいと思います。

簡単な4つの顧客ターゲティング

その1.現行市場をアタック:買いたい顧客は足元に転がっている

製品やサービスであればどういうユーザーがいるか、技術や製造であればどういう取引先があるのか/あったのかを棚卸します。そして、どうして製品やサービスを買ってくれたのか、どうして自分たちに仕事を発注するのかを分析します。そうすると顧客から自分たちが必要とされている付加価値が見えてきます。

今のユーザーや取引先と同じニーズがあるのが未来顧客になります。同じニーズの未来顧客にアプローチすればよいわけです。そんなこと分かり切っていることだと思われるでしょう。しかし、意外に知っているのにやっていないのです。

その2.類似市場へアタック:事例を応用して新市場を開拓する

例えば、もし、製品が小学校市場に売れていたら、中学校市場や高等学校市場にアプローチする。更に学習塾市場や語学教室市場にアプローチするのです。似たような違う顧客層を開拓するわけです。

しかし、アプローチする市場が変わると顧客が求める効用が違いますので、その市場に合ったソリューションに仕立てる必要が出てきます。又違う分野ですので水先案内人(チャネル)を活用する必要があるかもしれません。

その3.現行市場の深堀アタック:新ソリューションで断っていた市場を開拓する

今までに出来ないと断った顧客、失注した顧客、要望に応えていなかったユーザーを見直します。現行の製品やサービスをひと工夫すれば売れたであろう市場、技術開発依頼にチャレンジすれば受注できたであろう案件を精査すると、新ソリューションが見えてくるはずです。

現行の製品やサービスをベースに顧客にフィットしたソリューションにして提案すれば売れた可能性の高い、勿体無いソリューションと市場を新規開拓するわけです。

その4.新市場へアタック:新ソリューションで新市場を開拓する

新ソリューションが求められる顧客を探すわけですが、その2と同様に類似市場に対して新規開拓をすればよいのですが、新ソリューションに実績が無いと思いますので市場開拓のハードルは少し高くなります。

ここまでできると、顧客セグメントごとに提案するソリューションが明確になり、業容が伸びてくるはずです。しかし、商売の手を広げることになりますので、販売体制の強化が経営課題になってきます。

まとめ

おそらく、今までの成功や失敗事例が沢山あると思います。それらの貴重な体験は会社にとり非常に大きな財産です。この貴重な経験ノウハウを活かして市場開拓ができるわけです。

ところで、新技術から新たな製品を開発して市場開拓をするのは大きなリスクが待っています。売れるどうかわからない製品を開発して新市場を開拓するわけですから、社長は崖から飛び降りる覚悟での挑戦です。

それに比べたら、実績がある製品サービスと技術の展開ですから、低リスクで成果が出やすいと思います。あとは実践あるのみです。

神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎

]]>
このままではダメだ、新事業を開発したい! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/marketing/post-604.html Mon, 04 Sep 2023 23:04:47 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=604 こんにちは、たけうちです。

ソフトウエア技術を活かして、「新事業を開発したい!」とソフトウエア会社の社長から相談を受けました。

社長はIT企業と言われながら実態は技術者派遣業であることを悩んでいました

お話をお聞きすると、社長は今まで培ったソフトウエア技術を活かして、現在の技術者派遣事業とは違った新事業を開発して、新しい事業構造の会社へと転換したいと考えていました。社長は技術者派遣事業ではそれなりに成功していましたが、次のようなことで悩んでいました。

  • 社員のケアが思うようにできず、有望な社員が辞めてしまう
  • 社員の会社に対するロイヤリティーはどうしても低い
  • 派遣なので社長が考えるようなエンジニアは会社では養成ができない
  • 社員研修はできても、現場でのOJT研修ができない
  • 技術習得は派遣先の技術分野や技術レベルにどうしても依存する
  • 常駐先が固定されると、技術者として様々な経験をさせたいができない
  • 言われた仕様に対してのプログラム開発なのでエンジニアの可能性の芽を摘んでいる
  • プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーを育成できない
  • 企画提案できるエンジニアを養成できない
  • 会社として新しい技術を取り込むことが能動的に対応しにくい
  • 経験した技術は人に残り依存し会社には残らない
  • 常駐先の管理なので、頑張っている社員に対して正当に評価ができない
  • エンジニアの人数で売上が決まってしまう
  • 客先常駐では待遇にも限界がある

技術者派遣事業は派遣を良しとする社長や社員にとっては本質的な悩み違うところにあるかもしれません。しかし、この会社の社長は前述の悩みを抱えて、このままでは駄目だと真剣に悩んでいたのです。

ここまで読まれてこの社長と同じだと共感される社長は多いのではないでしょうか。何故なら、これは日本のIT企業が抱える共通の課題だからです。

新事業開発へ挑戦する社長が思案する21の現実

社長は自社の棚卸しを行い現状確認しました。このままでは新事業の開発展開どころか、時代の流れについていけないと気がつきました。新事業を開発展開するには今できるところから一歩一歩進むしか無いとあらためて思いました。社長は次のように自社の棚卸しをしました。

  1. システムを請負で受注した経験があまりない
  2. 請負開発を任せられるプロジェクトマネージャーは限られている
  3. できる人材は派遣されているので派遣先と折り合いをつけねばならない
  4. エースエンジニアを派遣先から戻すには代わりの人材が必要になる
  5. 代わりの人材がいなければ若いスタッフだけでは派遣先の開発が回らない
  6. システムを提案できるセールスエンジニアがいない
  7. 技術診断や技術提案ができるテクニカルエンジニアはいない
  8. 直接顧客からシステム開発を受注するには会社の実績と知名度がない
  9. 一部請負開発もしているが技術派遣と違って売上が安定しない
  10. 下請けで請負開発する場合、発注元のPM能力により振り回される可能性がある
  11. 振り回されることで手余り手戻りとなり請負開発の採算が悪化する
  12. 何でもできるが得意な技術分野や業務分野はあるようでない
  13. 得意とする開発ツールや業務パッケージもあるようでない
  14. Web系開発やJava/Python/DB言語での開発経験が多い
  15. 基本設計以下で業務系開発の常駐先開発が多い
  16. インフラ構築やシステム運用を常駐で請け負っている
  17. 現状ではAIなどのトレンド技術を経験するチャンスは少ない
  18. 新しいことにチャレンジすることが好きな人材は限られている
  19. 製品企画を経験した人材はいない
  20. 人材を派遣から引き抜けば売上が下がる
  21. 投入できる資金も限られている

社長が考えた7つの戦略

社長は可能性として、次のような戦略を考えました。

  1. 顧客密着技術者派遣戦略:現行技術者派遣をブラッシュアップし、上流から一気通貫対応できるようにして、SIer顧客に徹底的に密着する戦略
  2. 請負技術サービス戦略:SIerに提供していた技術者派遣をユーザー部門提供でできるようにな技術サービスモデルを開発して展開戦略
  3. 下請け特化請負開発戦略:技術者派遣でなくSIerから請負開発で下請け受注して、社内複数の開発ができるようにする戦略
  4. 特定分野請負開発戦略:得意な特定分野/特定業務或いはWEBシステムに特化して請負開発をする戦略
  5. ITインフラ構築運用サポート戦略:中小中堅企業のITインフラ支援部門としてのサービスモデルを開発し展開する戦略
  6. 自社プロダクト開発販売戦略:自社製品を開発して販売する戦略
  7. クラウドサービス開発販売戦略:特定アプリケーションをクラウドサービスで提供するサービス戦略

社長が選択した2つの現実的な戦略

その1. 顧客密着技術者派遣戦略

現行の技術者派遣を徹底的にブラッシュアップした顧客密着技術者派遣戦略をとりました。企画提案設計はSIerで、基本設計以下を丸投げにしてもらって、丸ごと設計開発ができる会社を目指しました。

その2. 下請け特化請負開発戦略

同時にSIerからサブシステムの下請け請負開発を専門にした部門を立ち上げ、下請け特化請負開発戦略を推進しました。社内に持ち帰り開発をすることで、複数のプロジェクトのマネジメントを行い、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーを社長自ら養成しました。

社長は足元を固め次のステップへの準備をする戦略なのです。また、AIやメタバースなどの新しい技術分野へのアンテナも高くしました。

まとめ

社長は現実的な戦略を選択しました。この選択はコンサルタントが言うような机上の戦略でなく、社長自身が現実を踏まえた短期の経営戦略です。ところで、IT企業に限らず、製造業など下請けでビジネス行っている会社はマーケティングがとても重要です。常に最終ユーザーの動向と技術トレンド、環境トレンドを押さえていないといつの間にか仕事がなくなってしまいます。時代の変化は早い!電気自動車があっという間に世界を席巻してしまう時代です。

神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎

]]>
自社製品で市場開拓をしたい! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/marketing/post-595.html Tue, 22 Aug 2023 23:12:52 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=595 こんにちは、たけうちです。
自社製品で市場開拓をしたいというシステム機器開発の社長から相談を受けました。

社長は「自社製品を開発したが、市場開拓できない!」と悩んでいました

お話をお聞きすると、社長は環境システム装置を企画開発しました。最初は話を聞いてくれて良い製品だと誰もが評価してくれるのだそうです。

しかし、「実績がない」と言われ購入してくれないと嘆いていました。この事業の販売体制は少人数なので、販売とサポートをやってくれる販売チャネルの開拓が急務なのです。実際、社長は次のようなことで悩んでいました。

  • 自社製品の販売は初めてなので何もかもが手探りだ
  • 鶏が先か卵が先か「導入実績が無いので購入できない」と言われると困ってしまう
  • 導入してもらうには会社によって課題が違うので「単純ではない」と実感している
  • どういう会社にアプローチすればよいのかがわからなくなってきた
  • 販路開拓のために販売チャネルをどうやって探せば良いかわからない
  • 自社製品の開発販売を請負開発と同じように考えていたが全く違った
  • 販売チャネルと販売契約を締結しても売ってくれない

メーカーとなり自社製品を開発販売するのと下請けとして装置を請負開発するのとは全く別次元なのです。開発製造プロセスは同じなので勘違いしてしまうのです。


又日本の市場は中小企業が参入しても導入実績を問われて、どんなに良い製品であっても購入してくれません。これはこの会社の社長だけの悩みではありません。日本の中小企業が抱えている共通の壁なのです。

市場開拓を成功させる10の心得

  1. 製品が良ければ売れるという認識は甘い
  2. 製品価値は製品の機能や性能ではなく、顧客が求める効果に対応できるかで決まる
  3. 日本市場は知名度の無い中小企業から、実績のない製品を購入することをしない
  4. 市場開拓(マーケット開発)はコストがかかり簡単ではない
  5. 営業に任せれば市場開拓ができるという考えは違う
  6. 市場開拓はマーケティング戦略があって、販促戦略があり、営業戦略がある
  7. 製品価格が高いから売れないという考えは大きな間違い
  8. 価格戦略はどの顧客層(市場)にどういう仕組みでアプローチするかで決まる
  9. システム製品はその単体スペックで評価されるわけではない
  10. システム製品はサービスを含めたトータルソリューションとして評価される

「製品が良ければ売れる」的な間違った固定化観念(自信)は技術系の会社に共通して見られます。上記は市場開拓する上での基本的な心得です。言うならば、思い込みへの戒めです。

市場開拓の基本的な7段階プロセス

その1.自社製品の価値を知る

自社製品の機能、性能、操作性(使い勝手)等の製品スペックを明確にすることです。製品スペックを体系的にまとめることなので、簡単にできると思います。できれば製品スペックを体系的に可視化できればベストです。そして、製品スペックを製品価値と先ず考えておきます。

その2.製品価値が役に立つ顧客層を考える

製品価値を求めると思われる様々な想定顧客を洗い出します。そして、想定顧客の活用シーンを想像するのです。多くは、例えば請負開発の時の顧客ニーズに触発されて製品を開発されていると思いますので、簡単にイメージできると思います。

その3.製品価値で解決できる顧客層の悩み(課題)を机上で考える

簡単に言うと、顧客視点で製品導入したら何に役に立つかを考えるわけです。いくら性能が良くても導入した人の役に立たなければ意味が無いわけです。次第に製品価値のもたらす効用が見えてきます。もし、製品価値の意味が変わってきていれば感の良い方だと思います。

その4.想定顧客に実際にアプローチする

実際に想定顧客に考えたことをプレゼンして見るわけです。テストマーケティングをするのです。そうすると、想定顧客から洗礼を受け顧客の声が聞こえてきますので、机上の考えが修正されるはずです。想定顧客も絞られ、未来の顧客層が見えてくると思います。

その5.モデル事例を創る

テストマーケティングでここぞと思う顧客を見つけて導入してもらいます。主要な顧客層にモデル事例を開発していきます。そうすると各顧客層におけるユーザーの導入効果がわかり、それぞれの顧客層に対する市場開拓の営業方程式が見えてきて、決め技を開発できるでしょう。

その6.ビジネスモデルを考える

この段階になると、いろいろな戦略が頭をめぐり、戦略的なビジネスモデルも見えているはずです。事業戦略がクリアになり、ビジネスモデルも決まり、商品戦略、ブランディング戦略、プロモーション戦略、営業戦略、事業体制‥等を盛り込んだ事業計画ができるでしょう。

その7.本格的な営業活動を展開する

テストマーケティングで開発した導入事例と営業方程式をベースにして、販売チャネル開拓、OEM開拓、ダイレクト販売と営業活動をおこないます。想定した未来顧客層に向けたプロモーション活動で引合いを獲得しながら営業展開を本格的に進めることができるはずです。

この会社の市場開拓は動き出したのか?

社長は「市場開拓の基本的な7段階プロセス」を検討して直ぐに、スペック本位の売り方をしていたことに気が付きました。単なるスペックを顧客に押し付けた物売りだったのです。顧客のことを考えていなかったのです。現在、自社製品の価値で悩みを解決できる顧客層に照準を合わせて営業展開することができるようになり、ビジネスの手応えを感じています。「今まで空回りしていた」と自分で呆れているそうです。

自社製品の市場開拓は中小企業にとり夢あることですが、大きなチャレンジです。このようなチャレンジは時代の変化に適応しながら、自立した経営が出来るようにする道ではないでしょうか。尚、このような会社の事業が成功すると支えている協力会社の事業へも波及し、良い循環になって行きます。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎)

]]>
取引先を新規開拓したい! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/marketing/post-587.html Fri, 18 Aug 2023 23:33:02 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=587 こんにちは、たけうちです。
新しい取引先を開拓したいと製造会社の社長から相談を受けました。

社長は「新規開拓で1社依存体質から脱却しなければ!」と悩んでいました

お話をお聞きすると、会社は先代から大手取引先1社に大きく依存していて、最近、受注量が頭打ちになり、社長は先行きをとても不安に感じていました。社長は急いで、新しい取引先を開拓しなければ会社が危ないと焦っていました。しかし、実際にどうやったら新規開拓ができるのかと、気ばかり焦って、次のような悩みでマイナス思考になっていました。

  • 新しい顧客をどうやって見つけたらよいのかわからない
  • どういう会社にアプローチすればよいのかがわからない
  • 仕事に自信はあるがこれといった特徴がない
  • いわれた仕事をやってきただけなのでこちらから提案できない
  • 新規開拓の営業経験はないし

下請け製造業では今まで大手取引先から安定的に仕事が来ていましたが、ある日を境に仕事が少なくなり、手を子招いているうちに会社を続けられなくなるというケースは沢山あります。

しかし、この会社の社長は仕事があるうちに、新たな取引先を開拓しようと思い悩んでいるのです。これはこの会社の社長だけの問題ではありません。日本の下請け製造企業が抱えている共通の経営課題です。

このような下請け体質の会社によく見られる10の共通点

  1. 売上は数社の大口取引先に依存している
  2. 大手企業からの下請け企業に甘んじている
  3. 大手企業との取引に安心している
  4. 下請け企業としての戦略的な考えを持っていない
  5. 請負開発、請負製造、技術サービス等でビジネスをしている
  6. 自社の製品や技術で市場開拓をしたことがない
  7. 受身の営業で新規開拓は引き合いがあったとき以外は行っていない
  8. 営業は特定顧客より依頼があってから受注活動をおこなっている
  9. 会社の営業でなく発注元の購買になっている営業がみられる
  10. 発注元に仕事が振り回される傾向にある

このような会社は今まで大手企業の協力会社(下請け企業)として、営業やマーケティングをやる必要がありませんでした。しかしながら、会社を取り巻く環境(外部環境)が大きく変化して、安閑とはしてはいられません。上記のような企業体質では時代の変化が激しい時代では適応できず生き残っていけないことは明白です。

直ぐにできる!新規開拓のやり方

その1.先ず、自社の価値を棚卸する

顧客が頼みたくなる自社の価値を自覚する必要があります。今まで当たり前にやってきたことが自社の大きなアドバンテージになることはよくあることです。できれば、自社の価値を体系的に可視化できればベストです。

その2.自社のプレゼン資料を準備する

自社の価値がわかる会社案内を準備することです。売り込み先のお客様に「何でも対応します」と言うのは禁句です。少なくとも、自社の価値がお客様の求めることに応え、悩みを解決でき、お願いしても大丈夫であることをプレゼンできなければなりません。

その3.見込み客へアプローチする

新規開拓は以下の方法が考えられます。速攻は①③④です。

① 今の顧客の他事業部へアプローチする。しかし、これは本来の新規顧客開拓ではない。
② 今の顧客と同じ悩みを持つ(ニーズがある)と思われる会社へアタックする。
③ 過去に取引があった顧客(休眠顧客)へアタックする。
④ 過去に問い合わせがあった会社(リード)へアプローチする。
⑤ 棚卸した自社の価値を必要とすると思われる会社へアプローチする。この方法が新しいマーケット(市場)になります。

又上記①③④は過去の名刺や問合せリストからアプローチ先がわかるでしょう。
上記②の会社は聞いたことがある会社ではないかと思います。又ニアミスしている可能性もあるのではないでしょうか。
上記⑤は全くの新規開拓になるのではないでしょうか。これは人脈の活用や、WEBからの問い合わせ等が有効です。

おそらく、訪問するだけで、手応えを感じると思います。

その4.WEBマーケティングを強化する

自社の価値を求める未来の顧客を想定し、WEBサイトをリニューアルして、反響があったら訪問してニーズを確認していくと、いろいろなことが見えてくるはずです。時間はかかるかもしれませんが、未来の顧客が見え、縁ができると思います。

尚、自社の価値がわかれば、展示会に出展したり、金融機関のイベントやマッチングイベントに参加したり、ニュースリリースしたりすることも可能になり、効果があると思います。

新規開拓を効果的に実践する為の6つの留意点

  1. 将来有望な会社にアプローチする
  2. 市場を持っている会社へアプローチする
  3. 安易に自社と同じ立ち位置の会社にアプローチしない
  4. 現行取引先との関係を念頭に置きながらアプローチ先を決める
  5. 売掛金が回収にリスクがある会社にアプローチしない(与信に気をつける)
  6. 初めての仕事はロスが多いことを念頭に置く

新規開拓は成功したのか?

この会社の社長は早速に疎遠になっていた休眠顧客と今まで問い合わせがあった顧客に訪問したところ、思いのほか反応が良く、引合いを頂けるようになりました。今まで何もしないで悩んでいたことに自分で呆れてしまったそうです。

このように、出来るところから新規開拓を実践しただけでも案件が出てくるのです。これから、戦略的に自社の価値を求める顧客へビジネスモデルを考えながら展開できるようになれば、素晴らしい会社になるのではと思います。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎)

]]>
資金繰りがブレるので、気が抜けない! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/management/post-590.html Mon, 14 Aug 2023 23:52:33 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=590 こんにちはたけうちです。
資金繰りの件である社長から相談を受けました。

社長は「毎月の資金繰りがブレるで、気が抜けない」と悩んでいました

社長は工事会社を先代(父親)から引き継いで、社長に就任しました。業態は典型的な請負ビジネスで、少なくとも3ヵ月から半年先までの受注予測をしないと資金繰りが上手くいきません。しかし、営業からの受注売上入金予測の精度が悪く当てにならないので困っていました。実情をお聞きすると次のような悩みを抱えていたのです。

  • 予定していた受注が突然スリップする
  • 当月末入金予定で資金繰りに入れていた入金がズレる
  • 営業に受注予想を聞いてもハッキリしない
  • 営業報告の受注予定案件が理由なく消える
  • 営業は追加変更仕様に見合った金額を請求しない
  • 現場は追加変更仕様の対価をもらえずにその仕事をしている
  • 納期がズレて検収できず、回収が遅れる
  • 予定外の外注費の支払依頼が現場から急に出てくる
  • 営業報告から案件状況/顧客状況が見えてこない

上記の悩みはこの社長だけの特別な悩みではありません。請負事業会社の社長はこのような悩みを共通に持っています。

このような資金繰りの悩みを抱える会社の11の共通点

  1. 資金繰りは社長の感ピュータでやっていて、資金繰り表がない
  2. 会社が大きくなり、社長から現場が見えなくなってきた
  3. 商談管理や顧客管理が出来ていない
  4. 営業は顧客の情報収集が出来ていない
  5. 営業は案件に対しての受注シナリオを描いていない
  6. 営業は受身の営業で顧客の言うなりになっている
  7. 営業は待ちの営業で仕事が来るのを待っている
  8. 営業は顧客に提案できない
  9. 現場リーダーは顧客折衝が苦手だ
  10. 現場リーダーのコスト意識が低い
  11. 現場リーダーとしての営業活動をしていない

大きな3つの原因が資金繰りを見えなくしていました

その1.営業

会社規模が大きくなり、今まで社長がやっていた営業活動を営業担当者に任せようとしていました。それが上手くいかず、前述の悩みを抱えることになっていました。

その2.顧客折衝力

2つ目の原因は現場リーダーの顧客折衝力が弱かったことでした。今までは社長が窓口でしたので、仕様が膨らみそうであれば事前に顧客に提案し、次の仕事の算段も顧客と事前に打ち合わせをして受注していました。

しかし、現場リーダーにはそのような経験はありませんでした。結果、採算は悪くなり、次の仕事もスムースに受注できなくなっていました。

その3.社長から部下への継承

3つ目の原因は社長がやってきたことが継承されていませんでした。業務内容や業務手順、マネジメント手法が標準化されていなかったので、営業的な意識も低い未経験者に「そんなこと自分で考えろ」と丸投げされていました。

もちろん、OJTで社長は教育していましたが、スタッフは頭では理解できても具体的なやり方まではピンと来ていなかったのです。

まとめ

社長は営業を自分に戻し、営業担当に基本を教えることにしました。又営業報告を聞きながら具体的な指示を担当営業に出すようにしました。

又、現場リーダーに顧客からの追加や仕様変更は先ず報告をするように指示して、現場リーダーの相談に乗りながら対応するようにしました。
そして、業務内容や業務プロセスを分析し、徐々に標準化していきました。

ところで、お読みになっている皆様は「資金繰りなのに!」と思われるかもしれませんが、資金繰りは現場活動の結果ですので元から改善しないと駄目なのです。尚、多かれ少なかれ、請負ビジネスを展開している会社は同様の問題を抱えています。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎)

]]>
毎月黒字なのに資金が足りない! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/management/post-584.html Sun, 13 Aug 2023 23:10:55 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=584 こんにちはたけうちです。
黒字なのに資金が足りないという社長から相談を受けました。

社長は「毎月黒字なのに資金が足りない」と悩んでいました

社長は黒字なら、銀行から借り入れをしなくても大丈夫だと思っていました。しかし、儲かっている割には、資金が無く、実感と違うと感じるのです。返済どころか借り換えをして資金を調達していました。次のような悩みを抱えていたのです。

  • 売上が上がっているのに、売上に見合った資金がない
  • 大きな買掛金の支払は資金が足りるか気をもむ
  • ボーナスは資金調達しないと支給できない
  • 月々の運転資金はギリギリで気が抜けない
  • 予定していた売掛金の入金が遅れると肝を冷やす
  • 消費税の支払も分納にしようかと悩む時がある
  • 資金が足りなくなって個人資金を会社に貸している
  • 社長(自分)の貸付金を返してもらいたいが、返す資金が無い

この社長は儲かっているのに何故資金が足りないのだろうと悩んでいますが、これはこの社長だけの特別な悩みではありません。多くの社長が同じように感じているのです。

黒字なのに資金が足りない会社の10の共通点

  1. 売上と資金繰りは全く違うものだということを認識してない
  2. 売掛金を分割で回収していない
  3. 買掛金の支払が先で売掛金の入金が後になっている
  4. 過剰に在庫を抱えている
  5. 売上に対して仕入外注費の比率が高い
  6. 比較的大きな設備投資を行っている
  7. 毎月の借入金の返済が大きい
  8. 退職金の支払いをしている
  9. 本業に直ぐに貢献しない投資をしている
  10. 関連会社に資金を貸付している

この会社の原因は次のようなことでした。

1.資金繰り表がありませんでした

資金繰り表がないので社長の感ピュータで資金繰りをやっていました。会社はどんぶり経営だったのです。会社が大きくなり、運転資金などの資金需要が大きくなり、社長の感ピュータは限界に来ていたのです。

2.売上と資金は別物だという意識が無かった

売上が上がれば儲かり資金があると勘違いしていた。損益と資金繰りは全く別物であることの認識が無かったのです。例えば、設備投資の支払を一括でしても損金計上は減価償却分だけなのです。

3.支払が入金より先になっていた

売掛金の入金サイトより買掛金の支払サイトが短かったのです。入金が入る前に支払が発生して、資金繰りを悪くしていたのです。

4.大きな受注でも入金は一括で検収後になっていた

設計製造に着手し平均的に3ヶ月後が納期でした。支払サイトは納入検収後末締め翌々10日現金支払いという条件でした。しかし、大きな案件でも同じでした。嬉しいことですが、資金繰りを大変にしていたのです。

5.問題ある大口取引先がありました

ある大口取引先の発注が遅れ、受注が大きくスリップして手余りが発生していました。 更に、入金が先方の都合で遅延することが時々ありました。これらは資金繰り/損益をとても不安定にしていました。

6.仕入機材を在庫として抱えていた

まとめて材料/仕入機材を調達していました。納期の関係から受注が確定する前に見込みで発注することもありました。買掛金の支払が製品になってから納品検収回収までのタイムラグが資金繰りを悪くしていました。

まとめ

この会社は資金繰りの基本的なことを改善することにより、資金を効率帝に活用できるようになりました。

この会社の資金繰りを悪くしている原因は基本的なことでした。入金を分割にしたり、仕入の発注を発注出来てからに変更したり、在庫を圧縮したりしました。幸いなことに、納期遅れによる検収おくれとか、仕様変更への無償対応とかは見られませんでした。

しかしながら、大口取引先からの入金がブレル問題は残りました。課題として新しい取引先を開拓し、現在依存している大口取引先のリスクを軽減する必要があります。

ところで、お読みになっている皆様は「そんなことは当たり前のことでしょう!」と思われるかもしれませんが、これはこの会社だけの問題ではありません。多かれ少なかれ、多くの受注系のビジネスを展開している会社は同様の問題を抱えています。現場に開発や仕入の裁量を任せている会社ではこの手のリスクが高くなっています。社長は気がつかれてないかもしれませんが・・・。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役 竹内一郎)

]]>
信じられない問題が発生する! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/organization/post-581.html Tue, 08 Aug 2023 00:27:07 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=581 こんにちはたけうちです。
部下に仕事を任せても上手くいかない会社の社長から相談を受けました。

社長は会社規模が大きくなってきて、自分で仕事を抱えられなくなり部下に任せる様になりました。しかし、「自分で現場をみていた時は起こらない、信じられない問題が発生する!」と社長は悩んでいました。実際、この社長は次のような悩みを抱えていました。

部下が巻き起こす!?信じられない10の問題

  • 自分が対応すれば確実に受注できるはずの案件が消えた
  • 重要商談を放置、顧客に怒られ、他社に仕事をとられた
  • 顧客に提案しないで案件を放置し、失注した
  • 自分だけでは対応できない案件を抱えて、手遅れになり失注した
  • 案件を任せたら採算割れ、納期も遅れ、挙句に顧客とトラブルになった
  • 現場管理を任せたら、自分では現場の仕事(実務)をしなくなった
  • 仕事を任せても、仕事を達成しようという意識がなく細かく指示しないと駄目だ
  • 現場スタッフの手余りを放置し、現場スタッフの仕事へのモラル低下した
  • 仕事を任せても指示待ちで、結局、仕事が自分にブーメランしてくる
  • 営業を担当に任せたため受注が落ち込み、社長と幹部で数字をかき集めた

社長はゼロから今日の会社までに大きくしてきました。経験したことが無い問題も、自分自身で創意工夫し、必死に切り抜けてきました。社長にすれば、このような問題が発生するのは何故なのか理解できませんでした。


このような悩みは会社が大きくなる過程でよく起こる問題で、この社長だけでなく多くの社長の共通の悩みですし、社長だけでなく、各部門を任されている幹部スタッフも同じような悩みを抱えています。

このような会社に見られる共通点

  • 社長は会社の仕事を何から何までやってきた
  • 幹部も社長と同じように仕事をやってきた
  • 会社が大きくなってきて、社長や幹部だけでは限界に来ている
  • 社長と幹部は阿吽の呼吸で仕事をしている
  • 今まで起きなかった問題が、モグラ叩きのように発生する
  • 仕事は社長と幹部に依存していて社長チームは抜群のパフォーマンスである
  • 「仕事は盗んで覚えろ!」で、時代に合っていない
  • 幹部はプロフェッショナルだが、人材を育てるのが苦手である
  • 会社の組織運営は人に依存していて、業務プロセスは分かりにくい
  • 会社のルールや規則などが未整備である

何故、今までは起こらなかった、信じられない問題が発生するのか?

会社が大きくなり、社長や幹部に依存した今までのやり方では会社運営のやり方が通用しなくなったからです。今までは社長と幹部による阿吽の呼吸での経営で大変上手くいっていましたが、ある規模を境に、突然にそのやり方では上手くいかなくなってきます。

そのような会社は、問題の後始末をするために社長と幹部は馬車馬のごとく必死で仕事をしているのではないでしょうか。そして、何とか頑張り手を子招いていると、例えるなら、おそらくA4の紙一枚の重さで組織は崩壊するでしょう。

どのようにして、このような問題を乗り切ればよいのか?

「人に仕事をつける組織から、仕事に人を付ける組織へと転換する」ことです。それは社長や幹部に依存していた仕事を、仕事の内容に対応した役割を担った人材で組織運営できるようにすることです。少なくとも次の3つの対応をする必要があります。

その1.業務機能と業務プロセスを標準化する

人に依存した仕事の進め方になっていて、担当者がいないと仕事がわからない状況になっているのではないでしょうか。できる担当者によって仕事の流儀が違うかもしれません。当たり前にやっていた仕事の内容とプロセスを明確にして、分かり易くすることです。できなければ、効率よく人に教えられませんし、マネジメントもできません。

その2.業務機能と業務プロセスに対応した組織体制にする

今までも仕事の役割に対応した組織が作られていたと思います。しかし、できる担当者に仕事を丸投げして任せていたのではないでしょうか。業務機能に対応した役割が明確であれば、その役割に合った人材に仕事を任せられます。各仕事のミッションが分かり易くなり、見える化されて、人材養成とマネジメントがやり易くなると思います。

その3.マネジメントの意味を理解し実践する

組織的にチームで仕事をやるようになると、マネジメントが重要になってきます。誰かがコントローラにならないと仕事に状況が見えなくなってきますし、仕事が進みません。中小企業ではマネジメント担当者は実務もこなさなければなりませんし、複数の仕事を掛け持ちすることになります。マネージャーは実務をこなしつつ、人を育てながら、リーダーシップを発揮して結果を出すマネジメントをする人を意味します。

このような悩みを抱えている会社は成長ステージの「足踏み期」に入ったと考えられます。「足踏み期」を「地固め期」と考えて、次のステージへ上がるための整備するのが定石です。まさに、個人経営から組織経営へ転換するタイミングなのです。


尚、社長はこれらの悩みに対応していくと、現在のビジネスモデルをハッキリと認識され、会社の将来像が見えてくると思います。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役®︎ 竹内一郎)

]]>
若手を営業に抜擢したが上手く行かない! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/organization/post-577.html Thu, 03 Aug 2023 23:14:23 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=577 こんにちはたけうちです。
営業スタッフを営業に抜擢して、営業として育成しようとしている技術会社の社長から相談を受けました。

社長は「社内の若手を営業に抜擢したが上手く行かない!」と悩んでいました

社長は営業ができる人材を募集しても良い人材に巡り会えないので、営業に向いていそうな社内の技術出身の若手人材を営業担当にしました。しかし、社長は次のような悩みを抱えていました。

  • 顧客に対して提案できない
  • 引き合い案件の営業ヒアリングができない
  • 商談をクロージングするシナリオが描けない
  • 顧客のフォローができない
  • 顧客の新規開拓ができない
  • 受注しようとする意気込みが感じられない
  • 予算達成に対する意識がない
  • パソコンに向かっていて客先に行かない
  • 営業マネジメントが上手く行かない
  • 商談が見えなくなり、商談管理が上手くできない

社長は営業経験がなくても自分で考えて何とかやってくれると思って抜擢したのですが、社長が思うようにはできなかったのです。社長は営業未経験で営業をやってきました。

ですから、自分と同じように、営業未経験者でも営業に抜擢すれば営業ができるようになると考えたわけです。これは無謀な試みでした。このようなことは多くの社長が多かれ少なかれ経験されている共通の悩みです。

このような会社に見られる共通点

  • 技術出身の社長が営業をやっている
  • 会社が大きくなってきて、社長の営業だけでは限界に来ている
  • 営業はある程度の技術的なヒアリングができなければならない
  • 問題解決型の提案をしなければならない
  • 営業だけでは見積もりができない
  • 待ちの営業で案件が来るのを待っている
  • そもそも営業の基本を知らない
  • 商談管理の方法を知らない
  • 会社は営業を技術より下に見ている
  • 社長はマーケティングと営業活動を混同している
  • 営業が概算価格を見積もれるようになっていない
  • 案件ごとに積算するので、プライスリストや販促ツールがない
  • 販売計画はあるようでない

若手人材の抜擢が何故上手く行かないのか?

このような技術提案をしなければならない会社の場合、営業と技術がわかる人しか営業はできません。抜擢する場合は技術が分かり、顧客の潜在的、顕在的な問題課題を見抜き、顧客が納得できる提案をしなければなりません。

そういうことに向いている若手社員であれば、提案営業のやり方を覚えれば戦力になっていく可能性はあります。若手社員がそういうタイプでなければ、技術提案できるエンジニアとペアを組めば何とかなるかもしれません。

また、社長自身がやってきた営業は部下がやる営業とは大きな違いがあります。それはその場で提案することができ、リスクがあっても決済もできます。しかし、部下にはその力量はありませんし、その権限もありません。顧客とのやり取りにはキレがなくなりますので、失注する確率が高くなります。

いづれにしても、営業担当者は営業のやり方を覚えなければなりません。

どのようにこの問題を乗り切ったのか?

この会社の場合は、運よく知り合いに現役時代にシステム営業で鳴らした人物がいて、時間はかかりましたが、この人物の指導で社長営業から営業組織へ転換することができました。

会社が大きくなってくると社長だけの営業では会社は回らなくなります。このタイミングは社長の営業から組織でやる営業に転換しなければなりません。

しかし、今までの社長営業のやり方が通用しなくなることを忘れてはいけません。営業組織を作るためにベテラン営業を中途採用するのが一見、近道のようですが上手く行く確率は極めて低く、自前で育てるのが得策です。指導できる人材を見つけ、若手を育成して営業を強化する方が現実的ではないかと思っています。

(神楽坂コンサルティング株式会社 社長の相談役®︎ 竹内一郎)

]]>
採用した営業部長は期待ハズレだった! https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/organization/post-575.html Wed, 02 Aug 2023 22:58:21 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=575 こんにちはたけうちです。
営業部門を強化しようとしているソフトウエア会社の社長から相談を受けました。

社長は「期待して採用した営業部長は期待ハズレだった!」と悩んでいました

社長は営業を任せられる人材と思って営業部長として中途採用しました。しかし、全くの期待ハズレで営業強化どころか、受注は減少、社長が受注挽回の後始末をする羽目になってしまったそうです。具体的には次のような悩みを抱えるハメになったのです。

  • 社長から営業が見えなくなった
  • 営業部長は部下に指示するだけ、自分で率先して営業活動をしない
  • 営業部長は何かあると前職場と比較して現状を批判する
  • 営業部長はこれも無い、あれも無い、文句は言うが、自分で解決できない
  • 営業部長は上から目線、過去の栄光を笠に着ている
  • 営業部長の営業は上から目線で心がないので、顧客の心を動かせない
  • 営業部長ができる仕事の範囲は以外に狭かった
  • 営業部長の営業報告は綺麗にまとまっているが、具体的な状況が見えてこない
  • 営業部長は自分で新規開拓や商談のクロージングができない
  • 普通なら取れる案件を失注する
  • 営業部長に営業を任せられず、結局、自分(社長)が営業をせざる得ない

社長は会社が軌道に乗り、営業組織を強化しようと営業を任せられる人材を探していました。縁あり、大企業で営業部長を歴任してきたベテランの人物に鳴り物入りで来ていただきました。

大企業の第一線で活躍していたので、大いに期待していましたが、期待ハズレでした。彼は会社を去っていきました。後味の悪い結末でした。

これはこの社長だけの問題ではありません。多くの社長が多かれ少なかれ経験されています。これは多くの社長が抱える共通の悩みなのです。

営業部長の採用に失敗する会社の共通点

  • 会社の営業を社長が中心になってやっている
  • 会社が伸び、社長だけの営業では限界に来ている
  • 会社の営業を強化し、社長営業から組織営業へ転換しようとしている
  • 単なる物売り営業でなく、問題解決型の提案をしなければならない商売である
  • マーケティング、販売促進、販売受注活動、売掛金回収・・と営業の守備範囲は広い
  • 営業は必要な販促ツール自分で開発しなければならない
  • 社長は若手営業に対して意識が低いと思っている
  • 現場で若手営業を指導できるベテラン営業がいない
  • 商談管理や営業マネジメントが出来ていない
  • 営業戦略、販売計画はあるようでない

このような会社では営業を任せられる営業部長が当然必要なのです。しかし、採用しても期待ハズレで苦い思いをしている社長が多いのです。

その原因とは「水が違う」のです

1.中小企業の商売と大企業の商売は別物です

中小企業は人材もいない、資金もない、信用知名度もない中で商売をしなければなりません。例えるなら、中小企業の営業は「原野を鍬鋤で開墾する」で大企業の営業は「システム化された大農場で効率よくオペレーションする」というくらい違うのです。

2.大企業は看板で、中小企業は心で商売をしている

中小企業は信用も知名度もありません。ですから、営業スタッフには人柄、何とかお客様の悩みを解決しようとする意識、スピーディで小回りを利かせた行動、人当たりよく気が利いて安心感ある対応‥等が求められています。

大企業はブランドと信用があり、システムが出来ているので事務的な対応でも「しっかりしている」評価されて通るのです。

3.中小企業の営業担当の守備範囲は大企業より広い

中小企業の営業は何でもやらなければ出来ないのです。大企業と違い守備範囲が広いのです。大企業では当たり前のことも、中小企業では当たり前ではないのです。

このギャップを新任営業部長は自分で解決しなければなりません。しかし、多くの方は解決できないでしょう。出来ない(やらない)原因は経験豊富でとても高い能力をもっているのに、プライドが邪魔をしているからだと思います。

今まで仕事をしてきた環境と全く違う、「水が違う」から能力が活かせないわけです。
残念で、勿体無い話ですが、、。

まとめ

営業は商売の入り口、営業が強くなければ会社は伸びません。その為には営業を安心して任せられる営業部長が必要です。しかし、運よく期待通りの営業部長と縁がもてることはとても難しいことだと思います。

もし、指導できる人材がいるなら(知っているなら)、若手を育成して営業を強化する方が現実的ではないかと思っています。

]]>
仕事は忙しいが、儲かっていない https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/judg/post-570.html Tue, 25 Jul 2023 04:09:11 +0000 https://www.kagurazaka-consulting.co.jp/?p=570 こんにちはたけうちです。
仕事の採算も良くなくて、売上も思うように伸びないと悩まれているシステム機器開発会社の社長から相談を受けました。

お会いしてお聞きすると、
社長はエンジニアでシステムを企画開発するのを得意とし、顧客からの様々な相談を受けて請負開発をしていました。何でも開発することを信条としていました。しかし、経営的には実際は次のような悩みを抱えていました。

  • 仕事は面白く忙しいが経営的には苦しい
  • 採算を度外視して仕事を請け負ってしまう
  • 自分のアイデアが膨らみ、開発コストが増大してしまう
  • 増えたコストを顧客からもらえないことが多い
  • 企画設計に注力しているときは、開発スタッフが手余りになってしまう
  • 仕様が膨らみ納期が伸びて採算割れすることがある
  • 予定していた受注がスリップして、仕事と仕事の間が空いてしまうことがある
  • 営業は提案営業ができないので、自分以外に新規開拓ができない

これはこの社長だけの問題ではありません。多くの技術系社長に共通に見られる傾向で、自分では気がついていないことが多いのです。

このような会社によく見られる共通点

  • 優秀な技術を持っている
  • 技術的な相談をよく受ける
  • 社長は技術出身で製品開発や物作りが好きである
  • 採算を度外視して仕事をする傾向にある
  • 何でも出来るが口癖である
  • 仕事が出来るので安い開発見積もりを出している
  • 仕事が出来るので見積に入っていない項目がある
  • 技術より営業を下に見ている
  • 営業の本質を理解していない

この会社の現状は大手企業からいいように利用されていました

社長は技術者として、顧客が技術的に困っていることを解決してあげることに使命感を持っています。また、ビジネスより技術的興味を優先して受注していました。簡単に言えば、採算を考えずに仕事の依頼を受けていたのです。

大手企業からの相談を受けることが多いのですが、製品の企画開発だけをさせられて、完成品は小ロットでも量産は価格が高いと言われて発注されていませんでした。また、「突然に社内開発するから・・」と言われて、仕事を打ち切られることもありました。

実態はアイデアだけ取られ、企画開発の対価も正当にもらえず、挙句は知的な成果物も取られ、大手企業からいいように利用されていたわけです。

このようなことは多くの中小企業が共通に経験していることで、日本の技術発展と将来の日本を支える企業への発展可能性を阻害していると強く思います。

尚、正当な対価は①製品の企画開発に対する対価、②量産品の発注、③知財に対するライセンス料、④知財の買い取対価、⑤知財をベースにした応用製品開発に関する対価等などが考えられます。

社長はこのままではまずいと気がつき、考えだしました

次のような戦略(会社の方向性)を思案し出しました。

  • 「何でも開発する戦略」で現行事業をブラッシュアップする
  • 「特定分野にフォーカス戦略」で開発分野を絞る
  • 「O E M製品開発戦略」で小ロットのシステム機器の開発製造を請け負う

技術を活かして、自立して会社経営ができるようにと願うばかりです。

]]>