役立たずの月次決算書にうんざりしている社長へ

役立たずの月次決算書にうんざりしている社長へ

こんにちは、竹内です。

今日は月次決算が遅くて、役に立たなくて困っている社長の悩みについてお話したいと思います。又、税申告の為だけでなく、経営に役立つ決算書にする方法もご紹介します。

月次決算書(月次残高試算表)が遅い会社の社長は次のような悩みを抱えています。

  • 月次決算書が手元に来るのが遅く、経営状況がタイムリーにわからない
  • 月次決算が赤字だということが2か月遅れでわかっても、手を打てない
  • 年度末の決算予想がわからないので、節税対策が出来きず、無駄に税金を納めた
  • 税務申告の為の決算で、経営に役に立つような決算書になっていない
  • 社長個人が会社に貸した資金を、会社から返してもらったら社長の収入になると言われた
  • 月次決算が遅くて売掛金の確認が遅れ、請求漏れがあることを時間が経ってから気が付いた
  • 月次決算が遅くて買掛金の確認が遅れ、取引先からの督促でわかり会社の信用を落とした

会社が黒字か赤字なのかもわからず毎月困っている状態

会社が小さい時なら、月次決算書を見るまでもなく感覚でわかっていました。しかし、数十人の会社規模では直ぐに月次決算がわからないと経営状況を勘違いして対応が手遅れになり大事になるかもしれません。

中小企業の社長は大なり小なり、同様の悩みを抱えています。例えば、、、

  • 会社が大きくなり、今までのやり方では経営状況がわからなくなっている
  • 社長の感覚が鈍くなり、どんぶり経営になっている
  • 経理財務のベテランがいないので、会計事務所に依存している
  • 会計事務所は税務経理のプロで、経営のプロでないことを理解していない
  • 決算書は税務申告の為の決算書になっている
  • 製造原価を正確に把握できるように仕訳されていないので、採算がどんぶりになっている
  • 社長は経営実態と決算書に何か乖離した違和感を持っている

なぜこんな状況になってしまうのか? 4つの原因

1.会計事務所への丸投げ処理をしていること

会社は財務経理が強くなければ伸びませんが、このような会社では社内にベテランの経理担当がおらず、月次処理を会計事務所に丸投げしている状況です。月次決算は遅くなり、当事者(会社)が仕訳しなければ、会計事務所が仕訳するので税務申告の為の月次処理になります。

2.社長の事業展開イメージに合った仕訳処理がされていないこと

社長の事業イメージで仕訳がされていませんから、社長は決算書と実際のイメージとのギャップに違和感を持ちます。特に事業計画に沿った、例えば部門/事業/製品/顧客等での事業展開イメージを社長が描いていればなおさらです。

3.業務プロセスと決済ルールが確立されていないこと

中小企業の組織体制/業務プロセス/決済ルールは臨機応変で人に依存しているために、キチンとした上司決済から経理処理までのプロセスに抜け道があり、決められた日時(締め日)までに必ず売上計上/仕入外注計上/経費精算等をおこない伝票を仕上げることが曖昧になっています。

4.身の丈に合った経理財務体制と会計事務所を活用すること

財務経理に精通した大物人材を確保するのは至難ですが、経理は経理事務担当と会計事務所、財務は社長が担当する体制ができればある程度までの規模まで対応できると思います。その場合でも業務プロセスと決済ルールは確立しなければなりません。

経営に役立つ月次決算書にするための3つの処方箋

その1.翌月10日までに月次決算書(残高試算表)を作る

経営の通信簿は早く出てこなければ役に立たないし、意味がない。月次決算書は完璧でなくてよい。社長は前月迄の大まかな数字を把握し、経営に生かします。もし、出てこなければ、資金繰り表を活用すれば良いのです。

その2.事業内容に合った仕訳にする

決算書から経営を見える化をするには、仕訳を事業の実態に合わせて行いましょう。販管費と製造原価、労務費と諸経費の仕訳を明確にすること。製造原価と販管費の仕訳が出来ていないケースが多く、大まかな採算が見えないためです。事業部単位/プロジェクト(顧客)単位/製品単位等で仕訳が出来れば現場がわかり、社長なら次の1手が見えててきますよね。

その3.事業計画書を作る

事業計画があって、実際との比較ができ(予実がわかり)、今後の事業展開施策が見えてきます。又、実際の売上と原価がわかるので、商談管理や採算管理が出来るようになります。社長の頭の中で事業計画と決算書がつながると、決算書が生きてきます。つまり、あなたにとって役立つ情報となるのです。

社長が描いている事業イメージを反映した決算書が出来ると、事業にドライブがかかってきます。損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)を見るのが楽しくなってくると思います。更に事業計画書/資金計画書、資金繰り表、商談管理、採算管理を掴めるようになってくると会社の次のステップが戦略的に描けるようになると思います。

事業に即した決算書の実践的な作り方を教えて欲しい。
相談に乗って欲しい場合は以下よりお気軽にご連絡ください。
それではまた、社長の相談役コンテンツでお会いしましょう。