未来の資金繰りが見える資金繰り管理のやり方

未来の資金繰りが見える資金繰り管理のやり方

こんにちは、竹内です。

今日は資金繰りが見えなくて、頭がモヤモヤしている社長の悩みについてお話したいと思います。 特に資金繰りが見えなくなる理由と直ぐに実践できる簡単な資金繰り表の作り方をご紹介します。

お聞きすると資金繰りでこんな悩みを抱えていました

  • 入金支払は頭の中で大体分かっていたが、最近は確認しないと分からなくなった
  • 資金繰りが今までのように把握できず、気を抜けない
  • 営業からの売上入金予想の精度が悪いので、資金繰りがブレる
  • 商談対応が後手後手になり、予定していた案件を失注するようになった
  • 商談の取引額が大きくなり、売掛金の回収が心配になる
  • 運転資金が大きくなったので、売掛金の入金サイトと買掛金の支払いサイトに気を使う

社長は今までは入金と支払の状況は頭の中で分かっていました。しかし、ある規模になると急に資金繰りが見えなくなり、心配になってきます。会社が大きくなる過程では社長は大なり小なりに共通して同様な悩みを抱えています。

このような会社は共通して次のような状況になっています

  • 会社が大きくなり、会社の信用(与信)が良くなり、優良な取引先が増えてきている
  • 商談の取引額/仕入額は大きくなり、取引件数も多くなってきている
  • 仕入や固定費も増大しているので、大きな運転資金が必要になってきます。
  • 社長の仕事も増えて忙しく、現場に目が行き届かなくなってきている
  • 商談も部下に任せるようになるので、社長から商談状況が見えなくなってきている
  • しかし、資金繰りは社長の頭の中だけでやっています

運転資金も大きくなり、社長個人で直ぐに用立てできる金額は限界にきていますので、おそらく、時々ヒヤッとする経験をされているのではと思います。

何故このような状況になっているのでしょうか?

その理由は会社が大きくなり、社長の目が今までのように行き届かなっていますので、特に社長の感覚(感ピューター)で会社運営をやっている会社では会社運営全体が「どんぶり経営」状況になっています。

資金繰り表がなく、月次決算も遅く、商談管理もできてなく、事業計画/資金計画もないので、社長は今までのやり方では経営状況を知りたい時に把握できなくなっているのです。 例えるなら、メーターの無い車を運転しているような状況に陥っています。

資金繰り表作成の5つの手順

その1.直近決算書から会社の損益分岐点を把握する

まず、仕入/材料費/外注費から変動費、労務費/諸経費から固定費を把握し、月々どのくらいの固定費がかかり、固定費を賄うには売上がどのくらい必要かを大まかに押さえます。

その2.当期の事業計画を作成する

次に、決算書から把握した毎月の固定費や必要な売上をベースにして、今期の事業計画(たたき台)を毎月単位で作成します。作成した事業計画(たたき台)に今期の施策を盛り込みます。

そして、計画している売上とその売上に見合う仕入/材料費/外注費を盛り込みます。シミレーションを繰り返しながら、今期の事業計画を完成させていきます。尚、出来上がった事業計画は現行のビジネスモデルの事業計画となり、マーケティング戦略は吟味されていません。

その3.事業計画に対応した資金計画を作成する

作成した事業計画に対応した資金計画を作成します。資金計画は営業収支/財務収支/総合収支で構成されています。営業収支は売掛金(売上計上)に対応した入金と買掛金(仕入/材料費/外注費)に対応した支払いに入金サイト/支払サイトを織り込んで作成します。

財務収支は金融機関などからの調達と毎月の借入金返済金額から算出して作成します。総合収支は営業収支と財務収支を加算して算出します。当月の総合収支に月初の現預金残高を加算して月末の資金残を算出し、それを翌月の月初の資金残高とすれば完成です。当期の大まかな資金の流れが見えてくるはずです。

その4.商談状況を見える化して、未来の売上入金を把握する

資金繰り表を作成する上で最も重要なことは未来の売上/入金/支払を予想把握することです。商談の受注確度を判断しながら、売上/入金/支払を集計して資金繰りと損益予想に織り込んでいきます。これは商談管理ができるようにならないとできません。

その5.未来の売上入金を資金繰り表に織り込み作成する

資金計画に実際の数字と商談管理で予想した入金/支払予定の金額を計上して資金繰り表を作ります。

売掛金に対応する入金額、受注して工事中/納品中の案件の入金/支払額、これから受注する受注確度が高い商談の売上/支払額、受注確度が低いが受注を当てこんでいる商談の売上/支払額の順で資金繰り表に織り込んでいき、資金繰り表を作成していきます。

資金繰り表は適時、状況を反映させながら、維持して活用します。 このようにして資金繰り表を作るのですが、資金繰りはたえず変化するので気を抜けません。資金繰り表から最低でも当月+3ヶ月の資金繰りを掴んで資金手当ができればと思います。

資金繰りを見えるようにするシンプルな解決策

資金繰りを見えるようにする解決策は先ず「商談管理」を行い未来の売上入金支払を予想把握して「資金繰り表」を作ることです。「資金繰り表」が出来れば、資金状況が見えるので社長の頭はスッキリします。

また、「商談管理」と「資金繰り表」がしっかりしていると、当たり前ですが、不思議なことに売上が伸び、財務内容がよくなってきます。しかし、残念なことに中小企業で「資金繰り表」を作っている会社は非常に少ないのが現実です。

資金繰り表の実践的な作り方を教えて欲しい。相談に乗って欲しい場合は以下よりお気軽にご連絡ください。